New Disc Guide

日本での紙ジャケット復刻盤シリーズ

Sony Music
P. 1953
C. 2007
MHCP-1266
2007/02/07

Plays Continental Music

 パーシー・フェイスのアルバムがオリジナル仕様で復刻されるというシリーズの1枚です。
 個人的な好みだけで言うと、パーシー・フェイスは60年代後半以降のアレンジが好きなのですが、そのような人でも今回発売された一連の復刻シリーズは衝撃を持って楽しめると思います。まず、マスタリングの良さにびっくり。半世紀も前にこれだけの音質で録音でき、それがこうした形で復刻できるくらいの状態の良さで残っているのですから。それに何と言っても演奏の躍動感。現在、同じアレンジ譜を使って再現しようとしても、このサウンドは得られないでしょう。ムード・ミュージックが単なる「流し聞き」の音楽でなく、鑑賞の対象となる芸術作品であり、また人の心を動かし楽しませるエンタテインメントであることを今回の一連のシリーズは証明していると思います。
 しかも、この価格でオリジナルにこだわった紙ジャケット+レーベル+帯、加えてモノーラル盤や疑似ステレオ盤の音源までボーナスで加えてしまうというこだわり。ぜひ、レコード会社各社はこの種のアイテムを手がけるからには、ぜひここまでのことをやって頂きたいとファンのひとりとして切に願います。採算を度外視するのではなく、きちんとビジネスに乗る形でのやり方はきっとあるはずです。
 それにしても、レーベルが"columbia"ではなく"SONY MUSIC"となっていたり、ジャケットに"Sony BMG Music Entertainment"と書かれていたりして、レコード業界の商標権や業界再編という半世紀に及ぶ時代の流れを感じます。アメリカの2大レコード会社であった"RCA Victor"と"CBS Columbia"が同じレコード会社になるなんて …。(2007.2.18)

Disc 1

01. Mademoiselle De Paree / パリのお嬢さん
02. Symphony / シンフォニー
03. Vola, Colomba / 飛べよ小鳩
04. In Love / 恋をして
05. Suddenly / サドンリー
06. Petite Bolero / プチ・ボレロ
07. La Ronde / ラ・ロンド
08. Many Times / メニー・タイムス
09. If You Said Goodbye / イフ・ユー・セッド・グッドバイ
10. April In Portugal / ポルトガルの4月
11. Under The Bridges Of Paris / パリの橋の下で
12. Sympatico / シンパティコ