New Discs

 ミシェル・ルグランによる自作自演盤

King - SevenSeas
KICP-1558/9
P. 2011

The World of Michel Legrand

 喫茶室に良くいらしていただいている、ごうさんから推薦盤としてご紹介を受けました。
 
 新譜のコーナーに是非載せて頂きたいCDがありましてメール致しました。キングレコードから4月27日発売の「ミシェル・ルグランの世界」(KICP-1558/9)です。喫茶室の方でも少し書かせて頂きましたが、ビッグニュースと思いまして。2010年10月のモスクワ録音、全曲アレンジ新たに書き下ろし、60名の大編成オケで指揮はもちろんピアノ、ヴォーカルも披露。
 聴きますと、まさしく何十年来の独特のストリングスの音色、すぐにルグランと判るジャズピアノ、雄大にして繊細なアレンジ。イージーリスング・ファンにとっては見逃せない情報かと存じます。
 何故か、喫茶室では私、ごう と 青の子様 以外の方がルグランについて投稿されてらっしゃらないのが不思議?なんですが、私の考え過ぎでしょうか。レイモン御大も「ヤツ(ルグラン)は俺らと違うぞ。」とよく言われてたらしく、ジャン・ミッシェルさん、ポールさんも一目置いていたそうですが。ある人は、「ルグランは偏屈だ」というようなこともいわれてるようですが、作品の仕上がりと、今も尚活躍している点において、やはり注目に値するアーティストと思いますが、店主様は如何お思いでしょうか。
 
 私も気になっていたアルバムで、早速買い求めました。
 日本のキングレコードが企画したアルバムで、モスクワにて60人編成のオーケストラに、ルグラン自身によるピアノ演奏、スキャットなどを加えた渾身の自作自演集で、ジャズ・タッチの演奏も散りばめた彼の広い音楽性をも垣間見ることができます。 サントラ盤やこれまでの作品集とはまた違う、円熟味を感じさせるアレンジと指揮・演奏は、それだけで強く心に響いてくるものがあります。パーシー・フェイスやルフェーヴルといった人たちの演奏と比べるなんてことは、野暮というものでしょう。
 ここで睨まれたが最後、仕事を失ってしまうかも、という緊張感の中で演奏していたミュージシャンたちが生み出すルフェーヴルやモーリアといったイージー・リスニング・オーケストラの音は、遠い世界となってしまいました。(2011/07/17)

Disc 1

01. シェルブールの雨傘 / Les Parapluies de Cherbourg
02. コンチェルト ~「ロシュフォールの恋人たち」 / Concerto
03. リラのワルツ ~ワンス・アポン・ア・サマータイム / Once Upon A Summertime
04. おもいでの夏 / Summer of ’42
05. ディグ・ディン・ディン / Di Gue Ding Ding
06. ブライアンズ・ソング / Brian’s Song
07. ディンゴ / Dingo
08. 嵐が丘 / I Was Born in Love With You
09. 面影 / Gable and Lombard
10. ウォッチ・ホワット・ハプンズ / Watch What Happens

Disc 2

01. 風のささやき ~「華麗なる賭け」より / The Windmills of Your Mind
02. 栄光のル・マン / Le Mans
03. ハンター / The Hunter
04. 世紀末の香り ~「愛と哀しみのボレロ」より / Un Parfum de Fin du Monde
05. これからの人生 / What Are You Doing The Rest of Your Life
06. 愛のイエントル / Yentl
07. イルカのウーム / Oum le Dauphin
08. コニャックの男 / Maries de L’an 2
09. 三銃士 / The Three Musketeers
10. ファミリー・フーガ / Family Fugue