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日本での13日間

 昨年、来日公演があったフランシス・レイの日本での公演の模様がLP/CD化されフランスで発売されました。「日本での13日間」というのは「白い恋人たち」の原題「フランスでの13日間」をもじったものですね。今のところ日本では発売する予定はないということです。
 ※実際の公演内容はこちらでレポートしておりますので、ぜひご覧下さい。

 ジャケットは京王井の頭線の渋谷駅西口あたりから道玄坂の方を見た写真(ストリートビューで探してみてください)を元にしたもののようです。色をケバく(派手に)して、フランシス・レイの肖像だとかレコード・ジャケットとかをビルの壁面に貼り付け、その向こうに夕陽に映えるエッフェル塔をコラージュしたものとなっています。この通りは方角的には北に向かう道なので、夕陽も沈まなければパリの方向でもありません。でも、このジャケットのデザイナーは、このフランスでは絶対に観ることができない看板だらけの雑然とした通りの向こうに、我が母国フランスが日本と一体化したイメージを思い浮かべたのでしょう。日本でのフランシス・レイの音楽の販売権を持っているワキタ・ミュージック・プランニング・ジャパンの人によると発売元のFGLの人は「素晴らしいジャケットだ」と大絶賛していたということですが、収録されているのがオーソドックスなフランシス・レイの作品ばかりですから、ちょっと私には理解しがたい感性です。

 どこか既視感があるなと思ってたら思い出しました。大阪の新世界ですね。商用/非商用利用可、多少なら加工可という写真素材から、うざい電線をPhotoshopで消して四角く切り抜いたのがこの写真です。ちなみに、現在の通天閣は2代目で、戦前に解体された初代は凱旋門の上にエッフェル塔の上部分を乗せたというデザインでしたから、その頃はまさにジャケット・デザインそのままの情景だったかも。興味のある方はググって写真を見つけてください。

 さて、収録曲はご覧のとおりで、私もまだ入手できていないため実際の音は聞いていないのですが、クレモンティーヌが歌っていた「男と女」は、その歌声だけカットされて演奏のみになっているらしいです。パリ公演ではニコール・クロワジーユ御大が歌ってたパートですから、それへの配慮なのか、あるいは契約の問題かよくわかりませんが。(2024/04/14)

収録曲目

1. Itinéraire d’un enfant gâté / ライオンと呼ばれた男
2. Le Passager de la Pluie, par Anne Sila / 雨の訪問者
3. La Leçon Particulière / 愛のレッスン〜個人教授
4. Bilitis / ビリティスのテーマ
5. La Chanson de Mélissa, par Lorène Devienne / ビリティス~愛の手ほどき
6. Vivre pour Vivre / パリのめぐり逢い
7. La Valse du Mariage, par Reina Kitada / 雨の訪問者~ワルツ
8. Les étoiles du Cinéma / シネマの星
9. 13 Jours en France, par Anne Sila / 白い恋人たち
10. Concerto pour la fin d’un amour / あの愛をふたたび~恋の終わりのコンチェルト
11. L’Amour est plus fort que nous / 男と女~あらがえないもの
12. Un Homme et une Femme / 男と女~テーマ
13. Love Story, par Katia Plachez & Lorène Devienne / ある愛の詩
14. The Final Dot / ザ・ファイナル・ドット(遺作の未発表曲)
※LPでは6と11は収録されていません。