
ルフェーヴルのNo.16『嘆きのサンフォニー』のアルバムに収められた曲です。キングレコードから発売された日本盤アルバムには「ニコレッタも歌った」程度のことしか書かれていませんが、さすがインターネットの時代になるといろいろな情報を辿ることができます。原曲はスペインのロック・バンドconexionがヒットさせたもので、2009年にはスペイン映画"Al Final del Camino"の音楽としても使われたようです。日本ではスペインの曲が紹介される機会は少ないこともあって、この曲の英語版を収めた彼らの2枚目のアルバム"Harmony"が日本で発売されたのは、30年以上もあとの2005年になってからのことでした。
気のなったのは、ニコレッタが歌ったのもルフェーヴルがアルバムに収録したのも1972年なのに、この曲を収めたconexionのシングル盤やアルバムがスペインで発売されたのが1973年ということです。どういう経緯でオリジナルの方の発売が遅くなってしまったのでしょうか。
余談ですが、スペインではこのルフェーヴルのNo.16のアルバムはタイトル曲は「恋のハーモニー」に変えて、ジャケット写真はそのままでconexionが所属するレコード会社から発売されたようです。
●コネクション / Conexion "Harmony"
さて、その日本で発売されたCDの解説を見ると、編曲、ピアノ、サックス、フルートを担当し、6曲中4曲の作品を提供した人物としてルイス・コボスの名前が確認できます。ルイス・コボスというと、後にオーケストラ・リーダーとなり1986年頃からソニーレコードと契約し、ロシア、イタリア、スペインなど地元のオーケストラとともに、それぞれの国にゆかりあるメロディをメドレー形式で演奏したアルバムを立て続けにリリースして人気を博した人です。日本にも招かれ大阪で開催された花と緑の博覧会でコンサートが催されたこともありました。確かにYouTubeのサムネイルで表示されているシングル盤のジャケット写真を見るとルイス・コボスらしき人がいます。
●Luis Cobos / ルイス・コボス "Capriccio Russo"
そんなルイス・コボス編曲による作品ですからもともと演奏の質が高いわけですが、ルフェーヴルはヴォーカルなしでその力強い世界観をブラスやドラムス、ピアノを使って表現しているところが、なんとも素晴らしいところです。加えてルフェーヴル独自の前奏を加え、そして原曲はだんだん音を小さく(フェイドアウト)して終わっているのに対して、曲の終わり方もビシっと決まってなんともかっこいいですね。
●レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ "Harmony"
以前、ニコレッタのニコレッタのコンピレーション盤について取り上げた際にも、この "Harmonie" のことは取り上げましたが、今ではニコレッタのレア・コレクション集に収録されてダウンロード購入可能です。カデ・ルーセルの番組で歌う姿はDailymotionの方に残ってますね。レコードよりソフトな歌い方になっていて、ソウルフルなニコレッタらしさがちょっと薄れているのが残念ですが、ルフェーヴルが指揮している姿が見えるので良しととしましょう。
Dailymotionは、以下にあるYouTubeのようなサムネイル貼り付けできませんので以下のリンクからたどってご覧ください。
https://www.dailymotion.com/video/xqumva