Memorabilia


 日本で『イージー・リスニング・トゥデイ』として発売されたアルバム

P.1970

El sonido de Waldo de los Ríos, Vol. 2

日本コロムビアからも、曲順違いで"YS2370-H"として1970年10月に発売されています。このアルバムは過去にオーストラリアなどでCD化されたことがあっただけあって、非常に良く出来たアルバムです。前作まではちょっと物足りなさやムリしていたようなところがあったロス・リオスのアレンジも自然で、オーケストラの楽器のバランスも非常に良いと思います。ついに、彼オリジナルのサウンドを完成させた、という感じです。特に「ヴィーナス」で聴ける、フラメンコ・ギターのような力強いギターの響きと、そこに割り込んでくるエレキ・ギター、続いて現れるいかにもスペイン的な分厚く迫り来るワイルドなストリングスの響きは、日本のディレクターがアルバム・トップにふさわしいと判断したのにもうなづけます。
「ヒメーナ」「愛のすまい」はオリジナル曲。「シュガー・シュガー」は、当時人気だった「アーチでなくっちゃ」という高校生くらいのバンド仲間たちを描いたアメリカ・アニメ(…私、この番組、見てました)の一番最後に今月の歌みたいな感じで登場する作品から生まれたヒット曲。また、「風のささやき」とか「オルビドの舟(忘却の小舟)」とかは、他のオーケストラでは聴けない個性的な演奏を繰り広げてくれます。
さすがに、スペイン盤のこのジャケットは日本では受けませんね。ということで選んだ日本盤ジャケット。映画「エマニエル夫人」がヒットしたあと、籐で出来た椅子にアーティストが座った写真を使ったレコード・ジャケットが一大ブームとなったのですが、もちろんこのアルバムが発売されたのは、その映画ができる前の話です。
 
現時点では配信されていませんが1969年には"The Magic of The WALDO DE LOS RIOS"というアルバムが発表されています。大部分の曲は日本コロムビアも『オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ "YS2200-H"』として発売しています。曲は以下のとおり。日本コロムビア盤には入っている「ヘイ・ジュード」が入ってませんね。
OB-LA-DI, OB-LA-DA(オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ) / AND THE MUSIC PLAYED(別れの朝:日本未発表) / HELP YOUR SELF(ささやく瞳:日本未発表) / THOSE WEWE THE DAYS(悲しき天使) / LES BICYCLETTES DE BELSIZE(地平線の彼方に) / MAMA日本未発表 / ARANJUEZ, MON AMOUR(恋のアランフェス) / LITTLE GREEN APPLES(青い果実) / LALENA(ラレーニャ) / THE GOOD THE BAD AND THE UGLY(続・夕陽のガンマン:日本未発表)
このうち、一部は別のレコード会社がライセンスを受けて配信しているものもあります。
(2017/11/18)

 

1. Everybody's Talkin' (Todos hablan) / うわさの男
2. Jean / ジーン
3. Unas gotas de lluvia sobre mi cabeza (Raindrops Keep Fallin' on My Head) / 雨にぬれても
4. Jimena / ヒメーナ
5. Something / サムシング
6. Venus / ヴィーナス
7. Sugar, Sugar / シュガー・シュガー
7. Los molinos de tu espíritu (The Windmills of Your Mind) / 風のささやき
9. La Residencia / 愛のすまい
10. Je T'Aime... Moi Non Plus / ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ
11. La Nava Dei Olvido / オルビドの船(忘却の小舟
12. No Me Quiero Enamorar (I'll Never Fall In Love Again) / 恋よさようなら