冒頭の「白い太陽」は印象的です。初めてジェットストリームでこの曲を聴いた時、何とも言えない衝撃を受けました。ジェットストリームは曲名を言いませんので誰の演奏かもわかりません。演奏スタイルからフランスのオーケストラだろうことはわかります。楽器の編成やアレンジのスタイルから言えばルフェーヴルかプゥルセルに近いタイプ。そこまでしか見当がつきませんでした。その後TV番組のBGMで使われたのでTV局に問い合わせまでしたのですがわからずじまい。そうこうしているうちに「哀しみのテス」を聴き、この演奏スタイルならあの曲もピエール･ポルトに間違いないと確信し、このアルバムを手にしたのでした。
　その30年後、このサイトを見つけたオーストラリアに住む日本人ギタリストから「このメロディの演奏者と曲名を教えて」という問い合わせがあり、それが縁でシドニーに行ったこともありました。この曲の印象深さに心を奪われる人は多いのでしょう。
　全曲、ポルトのオリジナルで、曲目解説のかわりに12曲の曲名と音楽の印象をもとにした、立原えりかさんによる物語が添えられていました。そういうことから、単品でコンピレーション・アルバムに収録するのではなく、やはり全曲通しで聴きたいアルバムです。
(2014/6/14)