New Disc Guide

 シャルル・アズナヴール 2015年ライヴ 御年91歳

Riviera/Maison Barclay/
Universal international
476637

Aznavour palais des Sports 2016

 シャルル・アズナヴールの2015年のパリでのライヴ・レコーディング。CDとDVD(PAL方式)が簡易な紙ケースに入れられて廉価(日本円で2,200円程度)に発売されているものです。バックはピアノ、ベース、パーカッション、ギター、ドラムス、ヴァイオリン2台、ビオラ、チェロ、アコーディオン、コーラス2名の編成で、パーカッションはルフェーヴルの1972年のライヴにも同行した伝説の演奏家マーク・シャントロウ、ヴァイオリン奏者のAgnès Toussaint-Justafréはジャン・ジャック・ジュスタフレの奥さんという、偉大なマエストロの世界を彩るにふさわしいミュージシャンたち。打ち込みシンセのようなぺらぺらではない素晴らしい伴奏がアズナヴールの見事な歌唱を引き立てます。
 曲間での語りもよどみなく、歌詞は一応、モニターに表示されるようになってはいましたが、92歳とは思えない力強さと表現力は凄いの一言。補聴器のようなものを耳に付けていますが、これは「私は旅をする」でデュエットするコーラスのメンバーでもあるカティア・アズナヴール(娘さん)も付けていたので、おそらくミキシングされた伴奏と自分のヴォーカルをミックスしてバランス良く聞こえるようにして歌いやすくするためのものでしょう。「昔かたぎの恋」では、おなじみの肩にてを添えて女性と踊るっているようなパフォーマンスで歌う姿を披露し、「声のない恋」では手話を交えて歌い、「ラ・ボーエム」では白いハンカチを手に絵を描くような手振りで歌いかけます。若い頃のキレはないにしても、声の表情はすばらしいく、観客もノリノリの手拍子で応えます。コンサート映像のほかに、ボーナスとしてリハーサルやテレビ番組出演など、最近の映像も収録されています。91歳ですか…。信じられない…。
 このDVD付きCDはFranceのamazonで入手できます。日本では、今のところ扱っていませんね。日本では再生できないことの多いPAL方式のDVDなのでご注意を。
(2016.04.02)
 
●補足
 日本公演に行ってきました。コーラスは娘さんを入れて2名、ドラムス、ピアノ、アコーディオン/フルート。ギター、ベース、シンセサイザーといった編成をバックに「悲しみのヴェニス」「忘れじの面影」など日本向けの曲も加えた構成で1時間半歌いきりました。驚いたのは「移民たち」が終わってわき起こった、ものすごい歓声と拍手。アズナヴールもびっくりした様子。平均年齢60は優に超えているだろうNHKホールは異様な盛り上がりを見せ、最後にはスタンディング・オヴェイション。この映像と同じような素晴らしいコンサートを楽しめました。
 
●補足2
 ユニバーサルミュージックジャパンより来日記念盤としてCDのみが発売されました。ビデオを発売すべきですよね、ユニバーサル・ミュージックさん。

Disc 1

01. Les émigrants / 移民たち
02. Paris au mois d'août / 八月のパリ
03. A ma femme / 妻に
04. Vous et tu / あなたと君
05. Mourir d'aimer / 愛のために死す(炎の恋)
06. Je voyage / 私は旅する
07. Sa jeunesse / 青春という宝
08. Ils sont tombés / 失われた個々と
09. Je bois / 僕は飲む
10. Avec un brin de nostalgie / ささやかなノスタルジーと共に
11. Non je n'ai rien oublié / 遠い想い出(何も忘れてはいないさ)
12. Mes emmerdes / 想い出をみつめて
13. Il faut savoir / それがわかれば
14. Désormais / これからは
15. Hier encore / 帰り来ぬ青春
16. Les plaisirs démodés / 昔気質の恋(時代遅れの楽しみ)
17. Mon émouvant amour / 声のない恋
18. Comme ils disent / 人々の言うように
19. Les deux guitares / ふたつのギター
20. La bohème / ラ・ボエーム
21. Je m'voyais déjà / 希望に満ちて
22. Emmenez-moi / 世界の果てに
23. Les coulisses / 舞台袖から(エンドロール)