Memorabilia


音の画家らしい、情景が浮かぶような演奏が次々と

Victor VIP-28011 [30cmLP]
P. 1980

哀しみのテス/ピエール・ポルト・オーケストラ

 「哀しみのテス」は1979年のロマン・ポランスキー監督の映画「テス」の主人公をイメージした作品でサントラ盤ではありません。映画のサントラ盤も買って聴きいたのですが正直印象に残りませんでした。音の画家と呼ばれるポルトらしく、目の前に情景が浮かんでくるようなメロディが素敵です。「夢のメロディー」はポルトの演奏にダニエル・リカーリのヴォカリーズを重ねた録音がビクターから発売されたことがありましたね。このメロディ運びは当時としては新鮮でした。「灰色の途」はセルジュ・ラマの作品。多少オーバー過ぎるオーケストレーションは評価が分かれますが、原題は「私は病気だ」というこの曲の訳詞を読みながら聴いてみると確かにこんな演奏もありかなと思います。クラシック調の2曲「ファンタジーとフーガ ニ長調」「ファンタジー・バロック」は1978年頃にフランスで発売されたアルバムからの収録曲。「乙女と歌」は原題は「少女とチェロ」で、さきほどと同じフランスのアルバムにポルトの歌入りのバージョンが収録されていました。ちなみに、このアルバムには他にビージーズのメドレー「若葉の頃~ジョーク~ホリデイ~マサチューセッツ~ニューヨーク炭鉱の悲劇」や「哀しみのソレアード」「アイ・ラヴ・パリ」が収録されていて、後の2曲の方はフランスでかつてCD化されたことがあります。
(2014/6/14)

Side 1 (Face 1)

1. Tess Song / 哀しみのテス
2. Paradise Lovers / パラダイス・ラバー
3. Let Your Heart Sing / テスの喜び
4. Fly To Fly / 恋は空に舞い
5. Fantaisie Et Fugue En Re Majeur / ファンタジーとフーガ ニ長調

Side 2 (Face 2)

1. Dreaming Melody / 夢のメロディ
2. Je Suis Malade / 灰色の途
3. Fantaisie Baroque / ファンタジー・バロック
4. La Fille Et Le Violoncelle / 乙女と歌
5. Tess Song [Piano Solo]/ 哀しみのテス[ピアノ・ソロ]