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 フランス・ギャルのPhilips時代最後のアルバム

Universal Music Japan
UICY-78578

Franc Gall - 1968

 いかにも1968年を感じさせるデザインのジャケットで、本人の姿からもアイドルからの脱皮を図ろうとする意識が感じとれます。CD化にあたりアルバム収録曲12曲に加え、シングル盤で発売された10曲が収録されました。弦楽合奏やシタールなど、ビートルズが生み出した当時流行のサウンドの影響を受けた音作りの曲もありますが、ジョー・ダッサンの作品や、LSDのことを歌ったゲンスブール作の「ティニー・ウィニー・ボッピー」、ジャズのワルツに乗せて歌われる「青い瞳に恋してる」など個性豊かな曲が揃っているところは、これまでのアルバム同様です。
 2001年のNHKの番組でフランス・ギャルはこう語っていました。「名前を変えた時はすごく泣きました。フランスは響きがきつくて嫌でした。(本名の)イザベルが大好きで私に似合っていましたから。」父ロベールの指示で「フランス」という名のシャンソン人形となって行動し、そしてそのことで古くからのシャンソンとは違うとバッシングを受けながらも人気を獲得していく一方で、父と娘という関係の中で作り上げられていくアイドルを演じ続けていくことに迷いが出てきたのかもしれません。フランス・ギャルは、このアルバムを最後にフィリップスとの契約を終了し、新しいスタイルを求めレコード会社を次々と変えていきます。そんな中、訪れたのが「彼に会っていなかったら音楽を止めていた」というミッシェル・ベルジェと出会いと結婚という2つの幸せでした。そして1980年に彼のプロデュースによる「彼は立ったままピアノを弾いていた"Il jouait du piano debout"」で華々しい復活を遂げることとなり、翌年にはイージー・リスニング・ファンにもおなじみの「素敵なミュージック"Tout pour la musique"」がヒットします。
 しかし、悲しいことに1992年のベルジェの死、1997年の長女の死といった不幸にみまわれ、彼女自身も乳癌を患ったことで音楽活動に終止符を打つことになってしまいました。NHKの番組で「人を成長させるのは幸福ではありません。信じ難い不幸が人を成長させます。」と語っていた彼女が印象的でしたやっとつかんだ幸せ、そして70歳という人生は、あまりに短すぎます(2018/2/10)

Disc 1

01. Toi Que Je Veux / あなたが欲しい(私の欲しい人)
02. Chanson Indienne / インドのうた
03. Gare À Toi... Gargantua / 大食漢よ出て行け!
04. Avant La Bagarre / けんかの前に
05. Chanson Pour Que Tu M'Aimes Un Peu / あなたに贈る歌
06. Nefertiti / ネフィルティティ
07. La Fille D'Un Garçon / あの子の恋人
08. Bébé Requin / おしゃまな初恋
09. Teenie Weenie Boppie / ティニー・ウィニー・ボッピー
10. Les Yeux Bleus / 青い瞳に恋してる
11. Made In France / メイド・イン・フランス
12. La Petite / ラ・プティット
13. Mon Petit Soldat / 可愛い兵隊
14. Y'a Du Soleil A Vendre / 太陽をあげよう
15. Rue De L'Abricot / アプリコット通り
16. Dady Da Da / ダディ・ダ・ダ
17. Le Temps Du Tempo / テンポの時代
18. Allo I Monsieur La-Haut / ハロー、天国のムッシュー
19. La Vieille Fille / ラ・ヴィエイユ・フィユ
20. 24/36
21. Souffler Les Bougies / ろうそくを消して
22. Don't Make War, Captain, Make Love / キャプテンとは争わず、愛し合って